初期研修医教育プログラム

はじめに

松山市民病院は松山市内に位置する急性期医療を扱う市中基幹病院です。専門性の高い医師・スタッフのもとで最前線の医療を体験するのみでなく、救急医療やCommon Diseaseの扱いなどプライマリケアに触れることもできる環境にあります。

理念「医師としての人格を育成し、将来の専門性にかかわらず、医学・医療の社会的ニーズを認識しつつ、 日常診療で頻繁に遭遇する病気や病態に適切に対応できるよう、プライマリケアの基本的な診療能力 (態度、技能、知識)を身につける」という臨床研修制度の理念にのっとった質の高い臨床研修を提供する。

基本方針

  1. 地域のニーズに応える誠実な医療を実践できる医師を育成する。
  2. 説明と同意による人権尊重の医療を実践できる医師を育成する。
  3. 快適な環境のもとでの安全な医療を実践できる医師を育成する。
  4. 新しい科学的知識と技術による良質な医療を提供できる医師を育成する。
  5. 研修・研鑚に努め、学びつづけることのできる医師を育成する。

松山市民病院の特徴

  1. 病院の規模が大きく多くの症例を経験できる
  2. それぞれの分野に専門家がいて相談できる
  3. 各診療科の敷居が低くアットホームな雰囲気である

1.病院の規模が大きく多くの症例を経験できる

 当院は429床、26診療科の規模を持っています。愛媛県立中央病院(827床)、松山赤十字病院(632床)、愛媛大学医学部付属病院(628床)、四国がんセンター(368床)、済生会松山病院(199床)などとともに松山市周辺地区の医療を担っています。松山市中心部に位置していることから、近隣の診療所からの紹介もあり多くの症例が集まってきます。
 また、臨床研修の中でも救急医療は重要な項目ですが、当院は松山市の救急輪番病院となっており、8日に1回の救急日には松山地区約60万人の医療圏から様々な救急患者が集まってきます。感冒、アルコール中毒などの軽症患者からCPAなどの重症患者まで多くの救急症例を経験することができます。
 
 その一方で他の大規模病院と比較すると研修医の数は多くありません。そのため、大規模病院によくありがちな見学に近い研修ではなく、各種の実践的な手技などを数多く経験し身につけることが可能な研修となっています。

2.それぞれの分野に専門家がいて相談できる

 現在は医療の高度化に伴って高い専門性が必要とされる傾向にあります。日本内科学会や日本外科学会をはじめとする各学会から34の施設認定をうけています。また産婦人科、精神科以外のほとんどの診療科を備えており、それぞれに専門性の高い医療を行っています。
 内科では消化器、循環器、呼吸器、血液、腎臓、糖尿病・内分泌の6グループに分かれており、内科研修中にはそれぞれの領域の指導医から指導を受けることができる体制がとられています。
 外科では一般外科(消化器、乳腺、甲状腺)、呼吸器外科、心臓血管外科の3グループに分かれており、外科研修中にはそれぞれの領域の指導医から直接指導を受けることのできる体制がとられています。

3.各診療科の敷居が低くアットホームな雰囲気である

 大規模な病院ですとどうしても診療科や卒業大学によって敷居ができてしまうことがあります。しかし当院ではそのようなことは全くありません。
 医局にはすべての科の医師が机を並べており、研修中の科以外の先生とも気軽にコミュニケーションをとり相談することが可能な雰囲気となっています。指導医も同じ医局ですので困った時にはすぐに相談できるのが大きなメリットです。
 また、岡山大学、愛媛大学、広島大学など複数の大学医局から医師が派遣されていることもあり研修中に多くの大学の先生と触れ合うことができます。そのため他大学の出身者でもすぐに溶け込める雰囲気ができています。
 松山市民病院では、新卒後臨床研修制度開始前から多くの研修医を指導してきた実績があります。また、本制度の開始に合わせてソフト面(研修プログラム・Net研修手帳など)・ハード面(研修用イントラネット・研修教材など)とも充実した体制ができています。
 研修に興味がある学生・研修医の方はいつでも見学可能です。まずはお問い合わせフォーマットからお気軽にご連絡ください。(→お問い合わせのページへ
 初期は医師としての将来に大きな影響を与えます。我々と一緒に充実した研修を送りましょう。

研修管理委員会メンバー

研修管理委員長 柚木 茂 松山市民病院 院長
副委員長・プログラム責任者 木阪 吉保 松山市民病院 消化器内科部長
副プログラム責任者 新谷 哲司 松山市民病院 内科部長
研修実施責任者   水野 剛 真光園 院長
熊木 天児 愛媛大学医学部附属病院 
総合臨床研修センター長
中西 公王 市立大洲病院 副院長
菊池 良夫 西予市立西予市民病院 副院長
村上 司 野口病院 院長
中村 清司 松山市保健所医監
研修管理委員   重見 律子 松山市民病院 小児科 副院長
宮﨑 博文 松山市民病院 麻酔科部長
小田原 一哉 松山市民病院 救急科部長
飛田 陽 松山市民病院 病理診断科部長
高橋 夏来 松山市民病院 循環器内科部長
友松 宗史 松山市民病院 外科部長
角田 多喜子 松山市民病院 看護部師長
浅野 光孝 松山市民病院 事務長
玉野 祐仁 松山市民病院 医療事務部長
研修管理委員(外部委員) 細野 孝 株式会社長崎商事 総務部長

初期研修医の皆様へ

当院の概況

地域医療における病院の位置づけ(診療、教育等)

愛媛県中予地区の中核病院として人々の健康を守るため、医療水準の向上を目指し臨床研修・教育・研究の充実を図り、高度・先進医療を志向し、医の倫理にしたがい患者の人権と生命の尊厳を尊重し、奉仕と共感の心をもって、安全・適切かつ効率的な医療を行う。

診療における病院の特色

当院の診療科としては内科、小児科、外科、呼吸器外科、整形外科、脳神経外科、皮膚科、形成外科、泌尿器科、婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線科、麻酔科、歯科・口腔外科、心臓血管外科、救急科が標榜されており、医師数は(94)名(2020年1月現在)でベッド数は全体で429床(2020年1月現在)である。
JR松山駅から徒歩3分、伊予鉄大手前駅から徒歩1分と好立地で都市型の病院で有りながら駐車場も多数確保しています。
救急医療は松山市の救急医療輪番制で1回/8日、約60万人の医療圏からの救急患者を受け入れています。

この研修プログラムの特色

当院の卒後臨床研修は原則としてそれぞれ下記のようにスケジュールされる。
研修内容は研修責任者、指導医、研修医などによる協議によって随時改善されるべきもので、研修委員会は指導医-研修医の相互評価システムや研修責任者-個々の研修医との話し合いなどによってフィードバック機構を備える。
二年目には加えて、自らの研修のみならず一年目研修医に対して指導的な立場に立つことも重要な臨床研修内容の一部とする。

研修スケジュール

1年目に必須科目である内科(6ヶ月)と救急(3ヶ月=1ヶ月麻酔科にて初期救急手技研修+8日に1回松山の救急輪番制を2年間経験する)に加えて、3ヶ月間は選択必須科目である外科、麻酔科、産婦人科、小児科、精神科の中から少なくとも2科目選択して3ヶ月の研修を行う。
(精神科については真光園、産婦人科については、愛媛大学医学部附属病院にて研修する)
 
2年目は地域医療(1ヶ月:市立大洲病院または市立宇和病院にて研修)を研修した後に、残りの期間で選択科の専門研修に専念する。
2年目は地域医療1ヶ月以上研修することに加えて、選択科11ヶ月以下の研修とする選択される科目は当院の標榜専門科目全科から選択可能とする。

研修プログラム

1.一般目標

医師が、医師としての人格を涵養(かんよう)し、将来専門とする分野にかかわらず、医学及び医療の果たすべき社会的役割を認識しつつ、一般的な診療において頻繁に関わる負傷又は疾病に適切に対応できるよう、基本的な診療能力を身に付ける
(涵養:水がしみこむように、自然に養成すること)

2.行動目標

医療人として必要な基本姿勢・態度を身に付ける

(1) 患者-医師関係

患者を全人的に理解し、患者・家族と良好な人間関係を確立するために、

  1. 患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる
  2. 医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームドコンセントが実施できる
  3. 守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる

(2) チーム医療

医療チームの構成員としての役割を理解し、保健・医療・福祉の幅広い職種からなる他のメンバーと協調するために

  1. 指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる
  2. 上級および同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる
  3. 同僚及び後輩へ教育的配慮ができる
  4. 患者の転入、転出にあたり情報を交換できる
  5. 関係機関や諸団体の担当者とコミュニケーションがとれる

(3) 問題対応能力

患者の問題を把握し、問題対応型の思考を行い、生涯にわたる自己学習の習慣を身につけるために

  1. 臨床上の疑問点を解決するための情報を収集して評価し、当該患者への適応を判断できる(EBM =Evidence Based Medicineの実践ができる)
  2. 自己評価および第三者による評価をふまえた問題対応能力の改善ができる
  3. 臨床研究や治験の意義を理解し、研究や学会活動に関心を持つ
  4. 自己管理能力を身につけ、生涯にわたり基本的診療能力の向上に努める

(4) 安全管理

患者ならびに医療従事者にとって安全な医療を遂行し、安全管理の方策を身につけ、危機管理に参画するために

  1. 医療を行う際の安全確認の考え方を理解し、実施できる
  2. 医療事故防止及び事故後の対処について、マニュアルなどに沿って行動できる
  3. 院内感染対策(Standard Precautionsを含む)を理解し、実施できる

(5) 症例呈示

チーム医療の実践と自己の臨床能力向上に不可欠な、症例呈示と意見交換を行うために

  1. 症例呈示と討論ができる
  2. 臨床症例に関するカンファレンスや学術集会に参加する

(6) 医療の社会性

医療の持つ社会的側面の重要性を理解し、社会に貢献するために

  1. 保健医療法規・制度を理解し、適切に行動できる
  2. 医療保険、公費負担医療を理解し、適切に診療できる
  3. 医の倫理、生命倫理について理解し、適切に行動できる
  4. 医薬品や医療用具による健康被害の発生防止について理解し、適切に行動できる
A 経験すべき診察法・検査・手技
B 経験すべき症状・病態・疾患
C 特定の医療現場での診療
各科研修の行動目標
オリエンテーション3~4日 内科卒後臨床研修6ヶ月 外科卒後臨床研修4ヶ月
救急部門(救急外来・麻酔科)卒後臨床研修2ヶ月 産婦人科卒後臨床研修1ヶ月 精神科卒後臨床研修1ヶ月(真光園)
小児科卒後臨床研修1ヶ月 地域保険医療卒後臨床研修1ヶ月 選択科卒後臨床研修8ヶ月

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