外科2017/11/24

食道癌について

食道は、のどから胃の入り口までの間の細長い消化管で、大半は胸部(縦郭)に存在します。日本での食道癌の多くは胸部に発生しますが、近年胃の入り口近くの癌も増加傾向です。

食道癌は早期からリンパ節転移を起こしやすく治りにくい癌でしたが、手術技術の進歩や抗癌剤、放射線の併用などにより治療成績が向上しています。以下に主な治療法を示します。

【内視鏡的切除】

リンパ節転移がないと考えられる非常に早期の癌では、内視鏡(胃カメラ)を使って癌部のみを切除することで治すことができます。食道を残すことができるため、治療前と同じように食べることができます。

 【手術】

多くの食道癌では根治のために手術が必要です。胸部食道癌の手術は胸部だけでなく、腹部および頚部にも手術操作が及ぶ非常に大きな手術です。そのため手術後の合併症により長期入院を余儀なくされたり、生活の質の低下を来すことがよくありました。近年の食道癌手術の最も大きな進歩は、胸腔鏡を使用することによる患者さんの負担軽減と手術の質の向上ではないかと思われます。術後管理の進歩もあって、食道癌手術は以前に比べると安全な手術になってきています。

 【抗癌剤治療、放射線治療】

食道癌は一般に、胃癌、大腸癌と比べ抗癌剤や放射線が効きやすい癌です。手術と組み合わせることで治療成績の向上が期待できます。場合によっては手術せずに、抗癌剤+放射線のみで治療することもあります。

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