薬剤部窓口業務時間
平日 | 8:30~17:00 |
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土曜 | 8:30~12:30(第2,4週は閉窓) |
日・祝日 | 救急日を除き閉窓 |
※院内処方のお薬は1ヶ月間保管しております。当日中に取りに来られない場合はお早めにお越し下さい。
院長補佐兼薬剤部長挨拶
一般財団法人永頼会松山市民病院薬剤部のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
薬剤部では、「専門性」と「連携」、「地域住民への貢献」を柱に、患者さんに最適な薬物療法を提供することを使命としています。各薬剤師がそれぞれの専門領域を持ち、日々研鑽を重ねながら、医師・看護師・検査技師など多職種と密に連携し、チーム医療の一員として質の高い医療の実現に努めています。
また、薬剤師のキャリア形成を支援するため、認定薬剤師や専門薬剤師の取得に向けた補助制度も整備しております。これにより、個々の薬剤師が専門性を高め、より高度な医療ニーズに応えられる体制を築いています。近年、医療を取り巻く環境は大きく変化しており、薬剤師にもより高度な専門性と柔軟な対応力が求められる時代となりました。医薬品の適正使用、安全管理、地域連携、さらにはAIやデジタル技術の活用など、薬剤師の役割はますます多様化しています。こうした社会的要請に応えるべく、当薬剤部は「医療の質の向上」「倫理感性の向上」「永続的な向上」をキーワードに、未来志向の薬剤部運営を進めてまいります。また、私は薬剤部長として薬剤部の運営に携わるとともに、院長補佐として病院全体の業務や経営にも関与しております。薬剤部の視点から病院全体を俯瞰し、医療の質向上と経営の安定化の両立を目指して取り組んでおります。
部員一同、真摯に日々の業務に努めますので、今後とも当院薬剤部の活動にご理解とご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
Greetings from the Assistant Director and Chief Pharmacist: English ver.【word】
薬剤部の特徴
5課制度の導入による専門性の強化
松山市民病院薬剤部では、調剤・製剤課、薬学教育課、病棟業務課、医薬品管理課、医薬品情報課の5課制度を導入しています。分野ごとの専門性を明確にすることで、業務の質と対応力を高め、より安全で信頼性の高い薬学的支援を実現しています。組織的な強みを活かし、チーム医療の一員として地域医療に貢献しています。
PBPM(プロトコールに基づく薬物治療管理)による薬学的支援
松山市民病院薬剤部では、PBPM(Protocol Based Pharmacotherapy Management)を積極的に導入し、薬剤師が医師と事前に合意した治療プロトコールに基づいて、持参薬の継続オーダーや必要な検査のオーダーなどを行っています。これにより、薬剤師が診療の流れに積極的に関与し、患者さんにとって最適な薬物療法をタイムリーに提供することが可能になります。このような高度な薬学的介入は、医師との信頼関係と専門知識に基づくチーム医療の実践であり、医療の質と安全性の向上に大きく貢献しています。
救急認定薬剤師による救急外来支援
当院は松山市の二次救急医療機関を担っており、救急当番日(8日に1回)には救急認定薬剤師がER(救急外来)に常駐し、緊急性の高い症例に対して迅速かつ的確な薬学的支援を行っています。重篤な患者さんに対する初期治療では、薬剤選択や投与量の調整が生命に直結するため、薬剤師の専門的な判断が不可欠です。医師・看護師と連携しながら、薬物治療の安全性と有効性を高めることで、チーム医療の一員として救急医療を支えています。このような救急現場で薬剤師が直接関わる体制は、愛媛県内でも非常に珍しく、高度な専門性とチーム医療の実践力を兼ね備えた薬剤部の強みです。
ER(救急外来) 救急カートの医薬品
薬剤部の主な業務
調剤業務
医師の処方箋に基づいて、患者さんに必要な薬を正確に準備します。薬の種類や量、飲み合わせなどを確認し、安全な薬物療法を支えています。
病棟薬剤業務・薬剤管理指導業務
入院患者さんのベッドサイドで、薬の使い方や注意点を説明します。医師や看護師と連携し、患者さん一人ひとりに合った薬物治療を提案・支援します。
無菌製剤処理業務
抗がん剤や注射薬など、細菌が入らないように特別な環境で薬を調製します。高度な衛生管理と技術が求められる業務です。
院内製剤業務
市販されていない薬や、患者さんの状態に合わせた特別な薬剤を院内で作ります。オーダーメイドの薬づくりを担う仕事です。
医薬品情報業務
薬に関する最新情報を収集・整理し、医療スタッフに提供します。副作用や新薬の情報など、安全な薬の使い方を支える知識のハブです。
薬物血中濃度モニタリング業務
薬の血中濃度を測定し、効果が最大になるように投与量を調整します。特に抗菌薬や抗てんかん薬など、慎重な管理が必要な薬で活躍します。
医薬品管理業務
医薬品の購入・在庫・使用期限などを一元的に管理しています。医薬品の安定供給を維持しつつ、適正使用を推進することで、医療安全の基盤を支えています。
治験業務
新しい薬の有効性や安全性を確認する治験において、薬剤部は治験薬の管理を担っています。
CRC(治験コーディネーター)と連携し、治験薬の適正使用に努めています。
学生実習教育
薬学部の学生に対して実務実習を通じて、臨床現場での薬剤師業務を体験してもらいます。
病棟業務、無菌製剤、医薬品情報など、幅広い分野を学びながら、患者さん中心の医療を支える薬剤師としての視点を育てます。
チーム医療への参画
薬剤部では主に以下のチームに参画し専門性を発揮しています。
感染対策チーム 栄養サポートチーム 転倒予防対策チーム 緩和ケアチーム
褥瘡対策チーム 認知症ケアサポートチーム 肝炎コーディネーターチーム
【保険薬局の先生方へ】疑義照会簡素化プロトコールについて
松山市民病院薬剤部では薬物治療管理の一環として、調剤上の典型的な変更に伴う疑義照会を減らし、患者さんへの薬学的ケアの充実および処方医や保険薬局の負担軽減を図る目的で疑義照会簡素化プロトコールを運用しています。
本プロトコールの運用にあたっては、松山市民病院と保険薬局との間で合意書を取り交わすことを必須条件としております。下記資料の詳細をご確認いただき、内容にご同意いただける場合は、記載の手順に沿ってご対応をお願いいたします。
疑義照会簡素化プロトコール【Word】
疑義照会簡素化プロトコール合意書【Word】
疑義照会簡素化プロトコール専用報告書【Excel】
プロトコールQ&A【Word】
取得資格(2025年10月現在)
松山市民病院薬剤部では、薬剤師一人ひとりが高度な知識と技術を備え専門領域での研鑽を重ねています。
以下は、松山市民病院薬剤部に所属する薬剤師が取得している資格の一覧です。
博士(薬学) | 1名 |
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日病薬病院薬学認定薬剤師 | 14名 |
日病薬認定指導薬剤師 | 1名 |
日本薬剤師会研修認定薬剤師 | 4名 |
認定実務実習指導薬剤師 | 4名 |
がん薬物療法認定薬剤師 | 1名 |
感染制御認定薬剤師 | 1名 |
救急認定薬剤師 | 1名 |
日本糖尿病療養指導士 | 1名 |
糖尿病薬物療法履修薬剤師 | 1名 |
愛媛糖尿病療養指導士 | 2名 |
腎臓病薬物療法単位履修終了薬剤師 | 1名 |
栄養サポートチーム専門療法士 | 2名 |
骨粗鬆症マネージャー | 1名 |
高血圧・循環器病予防療養指導士 | 1名 |
日本救急医学会認定ICLSコースインストラクター | 1名 |
愛媛小児吸入療法研究会認定 吸入インストラクター・トレーナー | 1名 |
認定医療メディエーターB | 4名 |
愛媛県肝炎医療コーディネーター | 3名 |
公認スポーツファーマシスト | 2名 |
診療情報管理士 | 1名 |
業績
松山市民病院薬剤部では、日々の臨床経験をもとに、薬学的知見の深化と医療の質向上を目指した研究・発表活動にも積極的に取り組んでいます。現場で得た気づきを学会や論文で発信することで、地域医療への貢献と薬剤師の専門性向上を図っています。
2025年度
学会発表・講演会
・酸化マグネシウムによる高マグネシウム血症の発現リスク因子解析と新規便秘薬への期待
慢性便秘症エキスパートセミナー in愛媛 2025年6月
・今見直そう、「循環器薬の薬物血中濃度モニタリングに関するガイドライン」
第41回日本TDM学会・学術大会シンポジウム 2025年7月
・腹腔鏡下回盲部、胆のう摘出術後に難渋した下痢に対してコレスチミドが著効した1例
第75回日本病院学会 2025年7月
・亜鉛製剤による銅欠乏性貧血
日本栄養治療学会 第17回中国四国支部学術集会 2025年8月
論文
・N-methylthiotetrazole基を有するセフェム系抗菌薬による血液凝固障害発現リスク因子解析
日本病院薬剤師会雑誌 Vol.61 No.5 2025
2024年度
学会発表・講演会
・松山市民病院における吸入指導の現状と今後の課題
第74回日本病院学会 2024年7月
・化学療法実施患者の転倒リスクに及ぼす各種因子の影響
第33回霧島神経薬理フォーラム 2024年8月 ★優秀演題賞受賞
・酸化マグネシウム服用中の高マグネシウム血症発現リスク因子解析
第34回日本医療薬学会年会 2024年11月
・化学療法実施患者の転倒リスクに及ぼす各種因子の影響
第34回日本医療薬学会年会 2024年11月 ★優秀演題候補にて発表
・酸化マグネシウム服用中の高マグネシウム血症発現リスク因子解析
第21回愛媛県薬剤師会学術大会 2025年2月
論文
・酸化マグネシウム服用中の高マグネシウム血症発現リスク因子解析
YAKUGAKU ZASSHI 144巻9号 2024
2023年度
学会発表・講演会
・当院における片頭痛治療薬の処方実態
第28回愛媛臨床薬学学術講演会 2023年4月
・当院の内視鏡的胃瘻造設術後の出血に影響を及ぼす因子の検討
第38回日本臨床栄養代謝学会 2023年5月
・急性期病院における高齢者入院患者の夜間転倒リスクと睡眠薬の関連性に関する研究
第6回医療薬学会フレッシャーズカンファランス 2023年6月 ★優秀演題賞受賞
・実際のTDMで経験した苦労とやりがい
第39回日本TDM学会・学術大会ベーシックレクチャーセッション 2023年6月
・プレアボイド報告を通じて当院の持参薬運用に関する検討
第73回日本病院学会 2023年9月
・当院におけるイメグリミンの処方の現状
第11回 日本くすりと糖尿病学会学術集会 2023年9月
論文
・Association between nocturnal falls and hypnotic drug use in older patients
at acute care hospitals.
Eur. J. Clin. Pharmacol. 79(6):753-758. 2023